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落ち着きがなさすぎる

昨日バスを降りようとしたら、
同じく降りようとしていた名探偵コナンみたいな眼鏡をかけた小学生のぼんちとタイミングが重なってしまい、
一瞬あうっとなって固まっていると、
コナン君が手のひらを上に向けて右手を差し出しながら「どうぞ」と言って譲ってくれた。
まさに体は子供、頭脳は大人、心は紳士である。
どうせこんなぼんち、我先にと人を押しのけて行くんだろうと思っていた自分を恥じながら
礼を言ってバスを降りた。

ぼんちと言えば、何年か前に新宿ピットインに達也のライブを観に行ったときのことである。
開場待ちしている客の中に、コナン君ほど小さくはないが、
推定年齢19~20代前半ぐらいのぼんちが一人立っていた。
その日は山下洋輔・梅津和時との競演で、
客層がいつものベンジー風スタイルのブランキー兄ちゃん達だけでなく
おそらくジャズファンの上品な紳士や白いブラウスに紺のスカートの清楚な女性もいて
割と落ち着いた雰囲気だった。
そんな中、ああ、あんな若い子もこういうの観に来るんだなあと少し微笑ましく思いながら、
そのぼんちの後ろ姿を遠くからぼんやりと眺めていた。

薄い色のTシャツにゆるめのジーンズ、キャップを後ろ向きに被っていかにも今どきの若者。
よく見ると髪を肩ぐらいに伸ばしていて、ちょっと達也っぽい。
ははーん、達也の熱心なファンなんだな。

しかしそのぼんちが少し体の向きを変えて横顔が見えた時、
ぼんちは熱心なファンなどではなく、そしてぼんちでもないことが判明した。
それは40過ぎの天才ドラマー中村達也本人だった。
げげっ。
私はそれまで、入場待ちの客が溢れかえっている通路に
のこのこ出てくるミュージシャンなど見たことがなかったので、たいそう驚いた。
驚いて、じろじろ見てしまったかも知れない。
しばらくしてふと前を見ると、
達也氏がこちらに体を向けて眉間にものっすごい深いしわを寄せた恐ろしい形相で睨んでいた。
私はあまりの恐ろしさに咄嗟にうつむき、60秒以上数えて前を向くと、まだ睨んでいた。
きょ、きょわい。私が一体何をしたというのだ。

後で知ったのだが、ファンが「あ、達也だ♪」と思って見ていると、にらみ返してくることがよくあるらしい。
それも実は睨んでいるのではなく、
自分の方を見ている人がいるから知り合いなのかと思って確認してるらしいのだ。
あほかいな。
まあ道端ならともかく、ここはあんたのライブを楽しみに来た客がいっぱい集まってる場所やで。

ま、それは私の自意識過剰で、ほんとは私の近くに知り合いっぽい人がいただけかも知れない。

その後いつのまにか達也の姿は見えなくなり、次第に客の数が増えて通路は混み合ってきた。
ぼーっと立っていると、左側から、ドンッと人がぶつかって来たので
関西人の貫録で「チッ」とにらみつけようとすると、ぶつかって来たのはラフなTシャツ姿の達也様であった。
あら、肩が触れたわ、と内心喜ぶ私。アホである。「チッ」とか言わなくてよかった。

しかしこの方、通路をはさんで楽屋とスタジオを何度となく行ったり来たりしている。
本番前にいったい何をしているのだろうか。
他にも、ふと足元に動物の気配を感じて目をやると、
よつんばいで階段の下をすり抜けて行く達也だったりもした(ものすごい俊敏な動作だった)。
不思議なことに、というか当然なのだが、競演の山下さんや梅津さんは全く姿を見せない。
なのになぜ達也だけがあんなにウロウロしていたのだろう。
あんなに落ち着きのないミュージシャンは見たことがない。
体は大人、心は3歳児なのですね、きっと。

P.S.しかし達也、やっぱり人に当たっといてあやまらへんつうのはあかんのちゃうの。
  ・・・などと、何年も前のことなのに今さら腹立ってきた私も大人げないな。アホやで。

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