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ライブの心得

何年か前にクロマニヨンズのライブに行ったことがある。
クロマニヨンズの曲はほとんど知らなかったが、ただ、
「一回、甲本ヒロトという生き物を生で見てみたい」という願いを実現するためだけに行ったのだ。

生で見るヒロトは、想像以上にヒロトだった。
ありえないほど細い脚、その脚に、普通ならつま先さえも入らないような細いジーンズを
どうやって上まで引っ張り上げたのかと思うほどピッタリ貼り付かせ、
トランポリン選手のように軽々と飛び跳ねる。
痙攣するような体の動き、目にもとまらぬ高速で舌をベロベロ出したり引っ込めたりするあのしぐさ。
かっこいい、そして、カワイイ。ヒロト!ヒロトだ!!
私は感激していた。

観客もすごい。特に前から中央ぐらいは、皆ヒロトに負けじと飛び跳ね異様な盛り上がりだ。
興奮し過ぎたのか、笑顔で泡を吹きながら倒れ場外へ運ばれてゆく男性も目撃した。
さすがパンクだ、パンクのライブだ。

だがしばらくすると、何か違和感を感じ始めた。
なんだか、歌がへんなのだ。
何だろうか、この妙な感じは。
ああそうか、コーラスだ。
コーラスが音痴気味でしかもやけに声が大きいのだ。
それはメインボーカルであるヒロトの美声をかき消さんばかりのデカさ。
(ヒロトはパンクロッカーなのに発声というか声質がクラシック的で、実はかなり歌が上手い。)
クロマニヨンズ初体験の私、「あの“マーシー”ていう人、歌ヘタやなあ」と思いながら眺めていた。

しかしどうもおかしい。下手すぎる。
じっくりと観察した結果、その調子外れの大声コーラスは真島昌利ことマーシーによるものではなく、
私から3mほど離れたところに立っている観客の男性から発せられていることが判明した。

えええええーーーーーー!!!!!
何このでっかい声!
体もデカいが声もやたらめったらデッカい。
ししし、しかも感心することに、どの曲もどの曲も最初から最後まで完璧に歌いこなしている(音程以外は)。
さらに歌詞だけでなく、「ウォホッ」などと合間にコーラスらしきものも入れている。
“一人クロマニヨンズ”状態である。
見てるとちょっと面白いけど、ずっとこれではたまらん。私はこの男のカラオケ発表会を聴きに来たのではない。
少しずつ少しずつ、距離をあけてみることにした。
・・・駄目だ。声がデカすぎてちょっと離れたくらいでは全く効果がない。
しばらく我慢してみたが、とうとう意を決してその男に近寄った。
そう、「歌うのはところどころにしてくれませんか」と言うために。
決してケンカを売るのではなくただ真面目にお願いしようと思ったのだ。

だが私は言えなかった。
勇気がなかったというよりは、
その男性の「イエイ!ヒロト!マーシー!!」と叫び歌う実に楽しそうな横顔を見たら、
もう何も言えなくなってしまったのだ。
だってあんなに隅から隅まで歌詞を覚えてるなんて、余程のファンに違いない。
きっと、今日はものすごく楽しみにして来たんだろう。
片や私ときたら、ヒロトを見たいというだけのエセファン。

そっと、もっと遠くへ移動することにした。

程よい位置に落ち着いて、ほっとしながらステージを眺め楽しんでいると、
腰のあたりに何やら柔らかいものが当たる感触がした。
ん?何かな?と振り返ると、そこには白いロンパースにくるまれた乳児のつま先があった。
にゅ、乳児。ち、乳呑み児。足。あんよ。赤ちゃんのアンヨ。
混乱のあまり二度振り返ると、その乳呑み児を抱えた若い母親は、
さらに私を押しのけ遥かかなた前方へと突進していった。LIVE with ロンパースベイベー。
ぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーー!!!!!
パンクだ!!!

いやしかし、やはり歌うのはところどころにした方がいいのではないだろうか。
あれが吉井のライブだったら、口ん中にタオル突っ込みたくなるだろうな。
もしTOUCH-MEのライブでミチロウのバキューム唱法とでもいうべき叫び声を素人にやられたら・・・・・。
嗚呼、想像しただけで気が狂いそうだ。

さ、久々にクロマニヨンズでも聴くかな。
実は結構、ノリノリなだけじゃなくていい曲も多いクロマニヨンズ。
「エイトビート」の「ただ生きる、生きてやる、呼吸をとめてなるものか」のとこなんて、
思い浮かべただけで泣きそうになるんだ。

などと書きつつyoutubeをみていたら、あまりのヒロトの細さ加減に
我が身を反省し、あらためて痩せようと誓った。
おわり。
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